北木石の五輪塔の笠部分の欠け修理を行いました
三原市・竹原市を中心にお墓のお仕事をさせていただいております、安芸石材の倉橋です。北木石の五輪塔の笠の欠け修理をさせていただきましたので、その様子をご紹介いたします。
五輪塔欠け修理
いつもお世話になっている方から、「お墓の修理をしてもらえないか」とご紹介をいただきました。当店で建立したお墓ではありませんでしたが、早速現地へ向かいました。
岡山県産の北木石で作られた、五輪塔のお墓です。一見分かりにくいですが、正面から向かって左奥、印のある笠の角部分が欠けてしまっています。
他の部分と同じように尖っている角が、欠けてこのようになっていました。何かがぶつかったりしたことで欠けてしまったのではないかと思います。少し時間も経っているようで、欠けた先の部分も周りに見当たりませんでした。
今回は、事前にお話を伺ってお写真も見せていただいていたので、修理道具を持って現地に向かっていました。確認を終えて、早速修理作業に入ります。欠けた先の石があれば接着できますが、今回は見つからなかったので、印のように専用の樹脂に石の粉を混ぜて、充填しています。
しっかりと固まるまで1,2時間置いて、石を加工するグラインダーで削って成形して、樹脂の部分に磨きをかけたら完成です。
作業完了です。
仕上がり部分です。樹脂に石の粉を混ぜたことで、かなり違和感なく仕上がっています。グラインダーで成形する際は、周りの磨かれた石の表面にあたってしまうと傷がついてしまうので、樹脂の部分だけをとにかく慎重に加工します。かなり神経を使う作業です。
もともとの石の角に合わせてきれいに仕上がっています。樹脂の色があるので、完全に同じ色合いにはなりませんが、かなりじっくり見ないと継ぎ足した部分とは分かりません。現場加工の技術があるからこそできる修理です。
お客様は後日ご覧になって、大変喜んでいただけました。お参りのたびに気になっておられたと思いますので、気がかりを取り除くことができてよかったと思います。この度は当店に修理をご相談いただきまして、ありがとうございました。これからも末永く、気持ちよくお参りいただければ幸いです。